FX取引で年間を通じて利益が生じた場合には、給与所得などのメインの所得とは別に計算する申告分離課税の雑所得として所得税や住民税の課税対象になるため、原則として税務署への確定申告はしておかなければなりません。
ただしこれにも条件があって、年間所得が2000万円以下の給与所得者であって、給与所得と退職所得以外の所得が20万円以下に該当する場合には、確定申告をする必要はないものとされています。
また実際に確定申告をするタイミングですが、利益が生じた年の翌年3月15日の期限までとされています。
この時点までに普段からFX取引に利用している国内の銀行や証券会社からは期間損益報告書が届いているはずですので、この書類に記載されている金額などをもとに申告書への記載を行います。
最近では紙ベースの損益報告書ではなく、インターネットを通じて電子ファイル形式で取得できる損益報告書のほうが多くなっています。
ほかにも利益ではなく損失が生じた場合にも、先物取引等の雑所得には3年間の繰越控除が認められていますので、確定申告をしておいたほうがよい場合があります。
ただし実際に繰越控除を認めてもらうためには、FX取引による損益の金額にかかわらず、この3年間は毎年確定申告をしなければなりませんので、その点には注意をしておいたほうがよいといえます。
外貨取引があった場合の形状について 消費税は?換算するには?
商品の売買などで取引価格が外貨をもって表示され、しかも決済にも外貨を用いている場合には、税金の計算のためにいったん外貨表示を日本円に換算しておく必要があります。
こうした外貨建て取引での計算には、事前に為替予約がある場合を除いて、売上げまたは仕入れとして計上する日の為替レートを利用します。
為替レートとはいってもいろいろと種類がありますが、基本は電信売買相場の仲値とされており、分秒単位で変動する建玉の決済時点での為替レートを用いるFX取引とはまた考え方が異なっています。
電信売買相場の仲値は銀行などがホームページ上でも公開しています。
外貨建て取引にともなう消費税の取り扱いについても、資産の譲渡等を行った日か課税仕入れを行った日の電信売買相場の仲値で換算した日本円の金額が、税法上の売上金額または仕入金額として用いられます。
このような取引にあたっては、仕入れ日などの時点における為替レートと、実際の決済時における為替レートとの間で食い違いが生じることがあります。
この食い違いが為替差損金となってしまいますが、一般には差額を調整する必要まではありません。